アメリカに来て1年8ヶ月

11月でアメリカに来て1年8ヶ月となり,ボストン滞在も残すところ4ヶ月となりました.

アメリカ国内旅行

去年はコロナも落ち着いていなかったこともあり,11月にニューヨークに行った以外は,あまりアメリカ国内旅行をしていなかったのですが,今年はかなり旅行しました.

6月は出張でピッツバーグへ.ISMP 2015以来.CMUの小さなワークショップだったのですが,過去の国際会議で会った人(発表を覚えてくれていた!)に再会するなど,実にコロナ以来の対面会議ということもあり,モチベーションが上がりました.

7月は二度目のニューヨークへ.今回は家族と自由の女神エンパイアステートビルなどをじっくり巡りました.ニューヨークはボストンから飛行機で1時間ほどなので,MITでもよく週末行ってきたよ〜という人がいます.ちょうど熱波が来てめちゃくちゃ暑かったですが,前回は寒すぎたのでちょうど良かったかも?

8月はワシントンDC.ニューヨークに比べると人ごみも少なく,思ったより快適でした.議事堂見学ツアーやスミソニアン博物館,リンカーン記念堂などを巡りました.こちらもまた熱波が来て暑かったです.屋内観光が多くて助かった・・・

10月はMIT数学科のretreat(遠足?)で,お隣のニューハンプシャー州に.毎年恒例のイベントだったのが,コロナで中止になっており,ついに今年復活したようです.車がないと行けない場所なので,自家用車のない我が家にはありがたい機会でした.紅葉と湖畔が大変綺麗でした.

滞在中の最後の旅行として,12月にカリフォルニアに国内旅行をするつもりです.

共著論文2本採択

本業の話.こちらに来てから始めた共同研究2本がSODA23に採択されました.
arxiv.org
arxiv.org

ここ数年は機械学習の研究を中心にやっていたこともあり,SODAのような理論の組合せ最適化からはしばらく遠ざかっていました.こちらに来て,久々に腰を据えて理論らしい研究に取り組めたのは(リハビリ的な意味で)大変よかったと思います.

このうちShrunk subspaceの方は,MITに来てから始めて実に1年強も取り組んでいたテーマで,これまでで一番時間がかかった研究テーマでした.形にならず苦しい時期が続きましたが,なんとか良い会議に通ってほっとしています.滞在中に現ボスとMITポスドクの方と共著ができてよかったです.

もう1本の代数的アルゴリズムは,上述のshrunk subspaceの研究の中で読んでいた昔の論文の内容が,ちょうど共著者の方が考えていたネタとハマって,割とスムーズに進みました.代数的アルゴリズム修士の頃からお気に入りの話だったので,自分で新しいものを作れたのは感慨深いものがあります.

組合せ最適化と機械学習に関する和書を出版しました

渡米前から2年ほど取り組んでいた,組合せ最適化と機械学習に関する共著の和書が,今年6月に出版されました.

本を出したのは初めての経験だったので,原稿の進め方,出版社の方とのやり取り,校閲など,いろいろと勉強になりました.githubで原稿管理するなど,様々な試行錯誤をしながらなんとか出版できました.実はまだ実物を見たことはないです.

帰国へ向けて

あと4ヶ月弱で帰国となります.最近も,組合せ最適化の共同研究をいくつか進めているので,こっちにいる間に形になればいいなぁという感じです.*1 次は帰国直前の更新になるかもしれませんね.

*1:実は,機械学習の共著もあるのですが,こっちは国際会議査読ガチャに恵まれず不良債権と化しています💀