大学生協電子マネーが想像以上の惨状だった

ボストンから帰国して,京大で非常勤研究員をやっています.久々に大学生協に加入したのですが,何やら自分が京大にいた頃とは違って,今は専用アプリを使って大学生協電子マネーで決済するようになっているようです.早速利用しようとしたのですが… これが想像以上の💩でした…

ちなみに,この電子マネーは曰く付きで,一斉導入時には食堂に大混乱を引き起こし,ニュースになったほどでした.

www.j-cast.com

しかし今回は食堂で電子マネーを使う以前の,アプリ利用登録でのトラブルです.

登録完了のメールが来ない

生協店舗で加入手続をしたら,1週間から10日程度でアプリ登録準備が完了した旨のメールが来ると言われました.ところがこれが待てど暮らせど来ない.この間,生協の割引は一切使えず,非組合員と同じ価格で利用しなければならず,加入した意味がありません.

2週間経っても何も来ないので,組合員センターに連絡したら,なんと登録準備は完了しているとのこと.メールアドレスも正しく登録されており,どうもシステム側がメールの送信に失敗したらしい…

サインインができない

とりあえず登録は済んでいるようなので,気を取り直してアプリをダウンロード.登録したメールアドレスの認証,パスワード設定,さらに2段階認証のSMS認証まで設定し,ようやく登録終了.やや面倒だがそこまで大きな問題はありません.ところが,いざ,アプリの「サインイン」を押すと…

何だこれ.アプリを再起動してもずっとこの画面.

Googleで検索すると,何と初回は「univcoopマイポータル」にアプリ以外のブラウザでログインしないとアプリからサインインできないらしい.

既に訳が分かりませんが,とりあえずunivcoopポータルのURLをスマホのブラウザに入力すると,何もしてないのにログイン完了.そういえば一瞬アプリがwebviewを開いておそらくログイン試行していたので,セッションだけは残っていたようです.しかも,肝心のunivcoopポータルで特にやることはなく,アプリに戻ると何故かサインインできるようになるという謎仕様.

ど う し て こ う な っ た

つまりこういうこと.下の赤の部分でアプリ外に出なければならず,初見殺しとなっています.

flowchart TD
    classDef red fill:#ed2633,stroke:#000,stroke-width:2px,color:#fff
    v1[生協店舗で加入申し込み] --> v2[登録完了メールが届く]
    v2 --> v3[アプリをダウンロード]
    v3 -- アプリを開く --> v4[サインアップ]
    v4 -- アプリを離れてブラウザを開く --> v5[univcoopポータルにログイン]:::red
    v5 -- アプリに戻る --> v6[サインイン]
    v6 --> 完了


生協アプリのPlayストアレビューは☆1台の惨状ですが,サインインはかなりの人が共通に躓いている模様.


一連の流れの💩な点としては,

  • アプリ内でユーザー登録〜サインインが完結せず,何故かunivcoopポータルに別画面でログインが必要という謎仕様.ログイン情報は一緒なのにアプリ内でなぜ完結できなかったのか.
  • サインイン失敗時のエラーメッセージに情報が無さすぎて,ユーザーがunivcoopポータルの存在に気づかない.せめてunivcoopポータルへ誘導すれば,まだマシだった気がする.

他にも細かいイライラが溜まる

まぁログインだけでよくここまで意味不明な仕様にできたなと思う訳ですが,アプリ自体,全体的に作り込みが甘い気がします.

  • クレジットカードでチャージする際,謎のエラーが頻発.しかもエラーのたびにカード番号から全て入力し直し.さらに,カードの保存は出来ず,チャージのたびに毎回手で入力する必要がある.もちろん,カメラによる入力や自動補完は効かない.
  • 食堂の騒動のときも言われていたが,アプリ起動から支払い用バーコードの表示までが妙に遠い.トップに「電子組合員証」や「生協ホームページ」へのボタンは要らないので,さっさと支払いできるようにした方が良い.昼休みの食堂のようにスピードが求められる場面をあまり想定できていないように見える.
    下書き時点ではトップに支払いバーコードがなかったのですが,2023年3月20日の更新により改善されました.



そもそも生協電子マネーって利用者にメリットないよね

これはアプリの問題というより,今回の生協電子マネー導入全体に関わる話ですが,そもそも電子マネー自体に利用者側のメリットがまるで感じられません.

  • 以前は,生協加入すると食堂や書店での価格が割引価格になったが,生協電子マネー導入後は,割引分を生協電子マネーの残高として還元される形に.つまり,従来は現金で還元されていた分が,生協でしか使えない電子マネーに変換された訳なので,純粋に改悪.
  • 還元先が電子マネーなので,アプリが利用可能になるまでの間は割引が一切受けられない.以前は紙かシールでの組合員証が加入時に発行されたので,これをレジで提示すれば即座に割引が受けられた.
  • 学生証に電子マネーが内蔵されていた頃は,レジで素早くチャージできていた.ところが,新システムではチャージはアプリかコンビニか店頭の専用端末でしか不可能.レジで残高不足に気づいた場合は,現金で支払う他なく,やはり割引は受けられない.

とにかく割引したくない!という強い意志を感じますね.おそらく,生協事業連合側としては,現金収入を増やせるメリットがあるのでしょうが,それって利用者側から見たメリットではないですよね.そもそも,生活協同組合なんだから,組合員の視点をもっと大事にしてくれ…