MITのコロナ対策の様子
日本は3度目の緊急事態宣言に突入するようですね.アメリカはワクチン接種が進んでいるとはいえ,大学はまだ全然人がいません.今回はMITのコロナ対策を紹介してみようと思います.
入構の仕組み
MITはキャンパスの境界に柵などがないので,敷地内までは誰でも入れます.ただし,建物に入るには定期的に検査を受ける必要があります.この検査と建物へのアクセス許可のプロセスはCOVID PASSというアプリで一元管理されています.
検査の仕組み
検査小屋がキャンパス内に数箇所あり,入構者はまず検査を受けます.こんな感じのプレハブ小屋です.
小屋に入ると,まずは受付でCOVID PASSという専用アプリに表示されるバーコードをスキャンしてもらいます.次に,生年月日と電話番号で本人確認が行われ,検体採取キット(綿棒と容器のセット)が渡されます.その後,奥にある採取ブースで検体採取を行います.
検体は鼻の穴を綿棒で何回かこすって採取します.深く入れる必要はないので全く痛くはありません.採取はすべて自分で行いますが,アクリル板の向こうから個別に監視されており,採取ミスや汚染が起こらないようにしているようです.
検査を受けたことが登録されると,アプリから宣誓書(attestation)を提出します.体調の悪くないことを確認し,キャンパス内でのマスク着用義務などにポチポチ同意して送信するだけです.
宣誓書が提出されると,所属する建物へのアクセス許可が出ます.
アクセス許可がある状態でIDカードを建物のカードリーダーにかざすと,鍵が開きます.宣誓書の提出から建物のカードリーダーへの反映には若干ラグがあり,運が悪いとしばらく建物の前で待つことも.寒空だと辛いです.ちなみに,許可が出るのは本当に所属している建物だけなので,他の建物には(すでに入った建物から渡ってくるのを除いて)原則入れません.
検査結果は当日~翌日にはアプリで通知されます.
検査結果は1週間有効で,この間は検査を省略し宣誓書の提出だけでも入れます.
また,直近の検査から2週間開くと,陰性の検査結果がないとアクセス許可がおりなくなり,検査のためだけに一度キャンパスに来ないといけません!私は週一でキャンパスに来るようにしています.
・・・とまぁ,めちゃくちゃ金のかかったシステムです!!アプリの開発もさることながら,全員にPCR検査できる体制があるのもすごい.
さらに検査の統計データはこちらで公開されています.
covidapps.mit.edu
平日は毎日4000~6000件の検査をやっているようです.さすがに自分が成田空港でやった1回3万円のPCR検査よりは安いでしょうが,一日いくらかかるのでしょう.日本の大学では資金的にとても無理・・・
なお,前職の東大では,
- 守衛のいる門以外は封鎖し,部外者は原則立ち入り禁止
- 入構当日に体調をフォームに入力(自己申告)すると,メールで入構許可が送られてくるので,守衛に見せて入る
という対応をしていました.