インターネット投票は可能か

今日は参院選の投票日だった。去年の衆院選のときは仙台で期日前投票したが、その後京都に住民票を移したので、今日は京都の投票所に行った。

ところでTwitterなどには、「はやくネット投票にすればいいのに」という意見がある。というわけで、国政でのネット投票が可能なのか考えてみたい。

本人確認の難しさ

ネット投票は、対面できない相手に本人確認をしなければならないのが一番難しいと思う。
投票ではその人に選挙権があるのか、また本当にその本人なのかを確認しなければならない。現在はハガキと投票所での簡単な確認を行っているだけなので万全とは言えないが、それでも20歳の娘の代わりに50歳の親父が来たくらいは判別できる。ネット投票では対面できない分、そういった例であっても確認はさらに難しくなる。
思いつくのは、役所が本人確認用のカードか何かを発行しパスワードや指紋等を埋め込んで使う方法だ。しかし今度はそれを読み取る専用の端末が必要になる。なんというか、安くはなさそうだな。

投票の強制の可能性

今の選挙でも特定の団体が候補者を支援することはあるが、その団体の構成員がどう投票するかは本人の意思で決定できる。それは、投票所では誰も投票内容を強制できないし、また本人以外は投票内容を知ることができないからである。ところが、インターネット投票の場合、端末をおいた部屋に全員を集め、全員に特定の候補者に投票させてしまえばいい。
当然、そのような行為は法律で禁止する必要があるが、場所が不特定になるため捜査は難しくなるだろう。

今のシステムはよくできてる

他にも機械に弱い人を騙して投票させる可能性があったり、誰かが押しかけてきてその場で投票を要求する可能性など、インターネット投票には思った以上に原理的な問題がある。
そう考えると、投票所で紙に書いて投票し、手で集計する今のシステムは、非常に原始的だがその分問題点も少ない。幸いなことに殆どの人は字がかけるし、たとえ視覚に障害のある人でも補助のもとで、点字で投票ができる。非常によく出来たシステムになっているのだ。
今は期日前投票もあり、投票自体も3分とかからず終了する。そもそも選挙なんて多くても1年に数回しかないんだから、投票所に行くくらい面倒臭がってんじゃねーよ!!