夏休みの一冊 その2『キッチン』

今日も文庫本の紹介記事です。今日は吉本ばななの『キッチン』です。吉本ばななといえば、以前『TUGUMI』を紹介しましたが*1、この『キッチン』は吉本ばななのデビュー作らしいです。
吉本ばななの文章には切れ味がある」と高校の国語の先生が言ってましたが、既にこの『キッチン』からその切れ味が垣間見えます。それと、吉本ばななの作品に言えることは、『TUGUMI』のときもそうでしたが、キャラクター設定が本当に上手い。ネタバレのような気がしますが、文庫の裏の紹介文にも書いてあったので書いてしまうと、「母親」が実は父親だとか、そういう設定の妙が人物が際立たせている気がします。
中身は『キッチン』『満月(キッチン2)』『ムーンライト・シャドウ』の3篇で、前回の『フェルマーの最終定理』よりもぐんと薄い本なので、手に取りやすいと思います。これも今年の「角川文庫夏の百冊」に入っているので、書店で簡単に見つかるでしょう。ちなみにオビの文句は「10代のうちに読んでおきたい」でした。


キッチン (角川文庫)

キッチン (角川文庫)

*1:[id:tasusu:20061110]