図書館に行ったら新入荷の本に面白そうな本があったので早速借りてみた。
- 作者: 宮西正宜,茨木俊秀
- 出版社/メーカー: 関西学院大学出版会
- 発売日: 2009/06
- メディア: 単行本
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
今までの典型的な数学と社会のかかわりは、数学(→物理学)→工学→社会だとか、数学→化学→社会だとか、別の学問が必ず仲介していて、数学はちょっと後ろで「縁の下の力持ち」的な役割をしていた。数学は各分野で不可欠な役割を演じてはいたけど、それはあくまでツールとしての役割に過ぎなかった。*1
ところが、コンピュータが出現した20世紀後半あたりから、数学が直接に社会の問題を解決する分野が現れ始めた。この本に載っているだけでも、暗号・誤り訂正符号・ネットワーク理論など、様々。他にも、ソフトウェア・オペレーションズリサーチ・アルゴリズム理論など、今では数学が社会に直結した分野がたくさんある。コンピュータが、それまで陰でひっそりと働いていた数学を社会の表舞台に連れ出してくれたおかげでもある。
理学部でずっと純粋数学を勉強してきたような人には、きっと新しい視点で面白い本だと思う。