2007年のネットまとめ

ITmedia News 年間アクセストップ50(07年1月1日〜12月26日)“守る”と“創る”は対立するのか――07年のネット界 - ITmedia ニュースを読んだ。ITmedia的には「“守る”と“創る”は対立するのか」が今年のキーワードらしい。“守る”というのは、既存のメディア側が既存のシステムに乗っけて作った作品の利益を「守る」である。対して、“創る”とは既存の仕組みに乗らずにネットから独自に作品を「創る」である。
これまでのネットは主に文字中心で、主に物書きの人たちだけが「飯を食えなくなる」脅威に晒されていたものの、映像コンテンツなどはまだまだ(違法ダウンロードを抜きにすれば)ネットは脅威ではなかった。ところが、今年になってそれが揺らぎだした。ニコニコ動画にアップロードされるオリジナル作品はとても高いクオリティを発揮している。
背景にはやはり梅田さんの指摘する潮流があるようだ。パソコンが高性能化して家庭で動画を扱える下地が出来ていたこと(チープ革命)、それに加えて動画をコメントをつけるシステムで潜在的なクリエイターにやる気を出させる仕組みを「ニコニコ動画」が提供した。
いよいよ映像コンテンツ側まで「飯が食えなくなる」脅威に晒されることになったが、これに対して「守る」対策は「違法ダウンロードの禁止」というとても旧式な仕組みに過ぎない。現在のところ「飯が食えなくなる」ことにそれほどの脅威を感じていないようだ。しかし、これからニコニコ動画のような仕組みが発達すれば、影響は無視できなっていくのは間違いない。
今年はそんな意味でネットのクリエイトがまた一歩前進した気がするが、来年はどうなるだろうか。